俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
あんなにも強い引力を持った男性から迫られてドキドキするのは仕方ないとしても、本気になったらきっと傷つくのは自分だ。
一緒にいる時間が長くなればなるほど、彼に私は相応しくないという思いも増している。自分の女子力のなさが惨めに思えてくるのもつらい。
整備士の仕事だけがすべてだった時は、そんなこと思わなかったのに……。
こんな湿っぽい感傷に浸るのは生まれて初めてで、対処の仕方がわからない。
思わずため息をつくとまた歩きだし、気持ちを切り替えるために今度こそバスルームへ向かった。
それから一週間ほどは鷹矢さんと顔を合わせる機会が少なかった。
玄関や廊下ですれ違ったりはするけれど、あまり接近されないように私から距離を取ったり、勉強に集中するという口実で、自室にこもる時間を増やしたせいもある。
本当は以前のように飛行機の話で盛り上がりたいけれど……これ以上鷹矢さんを見つめる時間が増えたら、必死で蓋をしている気持ちを認めざるを得なくなりそうで、怖かった。