俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「あなたね……調子に乗るのもいい加減にしなさいよ? 言われなくたって、今度深澄さんのフライトにご一緒した時、ステイ先で迫るつもりよ。あなたのように浅はかな手を使うんではなく、知的な会話でベッドまで誘導してみせるわ。日々の業務で培われたCAの会話スキルを舐めないでちょうだいね」
私より背が高いうえ、ヒールでさらに目線の上がっている彼女が、勝ち誇ったように私を見下ろす。
私も強気に彼女を見据えたが、内心では『言い返すんじゃなかった』と後悔していた。
高城さんが、ステイ先で鷹矢さんに迫るつもりだなんて、知りたくなかった……。
ふたりが接近する光景を想像すると、胸をかきむしりたくなるくらい動揺した。
鷹矢さんと高城さんなら、少し顔を近づけて会話をしただけでお似合いの恋人に見えるだろう。
兄妹かパパ活か、なんて言われてしまう私とは違って……。
高城さんは黙り込む私に満足したらしく、フンと鼻を鳴らして微笑む。
「深澄さんがあなたを選んだのは、単なる気まぐれ。恥をかく前に自分から身を引くことをお勧めするわ。それじゃ、ごきげんよう」
颯爽と身をひるがえし、カツカツヒールを鳴らしながら遠ざかっていく後ろ姿は、やっぱり全身ツナギ姿の私より美しかった。