俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
信濃さんは口もとに人差し指を立て、怖い顔をしている。
「石狩、それは言わない約束だったでしょう」
「やべっ、……あー、今の、聞かなかったことにしてな」
叩かれた頭を両手で押さえつつ、石狩さんが苦笑する。
「今のって?」
最上さんがなんとかって聞こえた気がするけど。
「なんでもないんですよ、姫。そうだ、高城嬢の見栄と虚勢だらけのSNS写真でも覗いてこき下ろしましょうか」
にっこり笑った信濃さんが、ポケットからスマホを出してテーブルに置く。
写真や動画を共有する人気のSNSアプリを起動し、【ca_syoko_aozora】というアカウントのページに飛ぶ。プロフィール欄には【現役CA翔子の日常】とあり、その下にたくさんの写真が並んでいる。
高城さん、下の名前は翔子さんと言うんだ……。
彼女のプライベートを覗き見る様で気が引けたが、好奇心に負けて一つひとつを目で追ってしまう。
高級バッグやコスメの購入報告にネイルの記録、美容室帰りの後ろ姿、優雅なアフタヌーンティーの様子など、さすが意識の高いCAだと思わされる投稿が多い。