俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 病院から直接職場に寄って自分の病状を報告した後で一度マンションに帰ったのだが、光里の姿がなかったため、遅番終わりの彼女を捕まえて話をしようと空港へ向かったんだ。

 いや、違うな……俺はただただ、光里に会いたかったんだ。

 積み上げてきたものが一瞬で崩れ、足元が見えないような不安の中、それでも彼女の顔を見れば、胸に光が差す気がして――。

「……鷹矢さん?」

 自分の思考に浸っていた最中、想像ではなく現実の彼女の声がして、俺は目線を横に動かす。

 そこには椅子に腰かけた光里がいて、俺と目が合うとガタッと音を立てて腰を上げ、泣き笑いのように顔をクシャッとさせた。

「よかったぁ……。ずっと眠ってるんですもん、心配しました」
「ずっと……?」
「そうです。発作が収まった後、半日以上。安静にと言われてるのに、無理して私のこと迎えに来たりするからです。胸の痛みはよくなりましたか?」
「ああ、今は落ち着いてる。……全部聞いたんだよな? お前。俺の体のこと」

 ベッドの上で上半身を起こし、問いかけた。

< 169 / 234 >

この作品をシェア

pagetop