俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「鷹矢さん……」
口にすると余計につらくなりそうで、上司や同僚には伝えていなかった本音。それが光里の前では自然とこぼれてしまった。
頼りない男だと自分でも思ったので、俺は冗談めかして光里に詫びる。
「目の前で倒れてみたり、弱音吐いてみたり……お前には迷惑をかけてばかりだな、悪い」
「そんなのいいです。だって、夫婦の間に迷惑の概念は存在しないんですよね?」
しんとした病室に、光里の凛とした声が響いた。
その台詞は、確か婚姻届を出した直後に俺が放ったもの――。
たわいのない会話だったのに、覚えていたのか。
「私になら、どんなに寄りかかってもいいです。鷹矢さんが、再訓練だろうが技量審査だろうが俺の手にかかればちょろいって、いつもみたいに自信満々に言えるようになるまで、頑張って支えますから」
シーツの上に投げ出されていた俺の手を彼女がギュッと握る。
俺よりはるかに小さな手なのに、力強くあたたかかった。胸が、トクンと鳴る。
「光里……」
あふれる愛情のままに彼女の名前を読び、ジッと視線を注ぐ。
すると光里は我に返ったように頬を赤く染め、俺の手を遠慮がちに放して視線を泳がせた。