俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
なにかされた心当たりは全くないのだが、いったいなにに謝っているのだろう。
やがて顔を上げた堂島は、今にも泣きだしそうな顔をして語りだす。
「俺、シドニーで深澄さんの部屋に泊まった夜、寝ているあなたの写真を撮って、高城さんに送っていたんです。言うとおりにしないと今後仕事を教えないと、脅かされていて……」
「……高城?」
彼女は時々俺に気があるようなそぶりがするが、パイロットの収入や肩書き目当てであるのは明白だし、俺自身に興味があるようには見えなかった。
そんな彼女が、後輩に俺の写真を隠し撮りさせて欲しがったとは意外だ。
まさか、個人的に眺めて楽しむわけでなくなにかに利用するつもりで……?
微かな疑惑を抱いて考え込んでいると、堂島の背後から光里と先輩整備士ふたりもこちらにやってきて、代表するように信濃が口を開いた。
「堂島さんから写真を受け取った高城嬢は、それをさも自分が撮影したように自分のSNSにアップしていました。深澄さんと一夜を共にしたかのような短い言葉を添えて」
「SNS……それでか」
頭の中に蘇るのは、空港で倒れる直前に対峙していた最上さんの言葉だ。