俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
そのまま機首を水平より少し上げた状態で滑走を続け、ゆっくり減速しながら、機首を下ろしていく。
前輪がないので、当然ながら機首そのものが滑走路に接地し、地面と機体とが激しく擦れる音と共に、火花が散るのが見えた。
いつ爆発や火災に発展してもおかしくはない緊張感の中、機体は十数秒後に動かなくなった。
火の手や煙が上がる様子はない。
鷹矢さんの操縦する機体は、滑走路内で無事に胴体着陸を成功させ、停止したのだ。
着陸の衝撃でけがをした乗客がいないとも限らないが、命にかかわるようなものではないだろう。
鷹矢さんも、クルーのみんなも、きっと無事だ。
そう思った瞬間、周囲からわっと歓声と拍手が上がった。
いつの間にか格納庫から出てきていた整備士の仲間たちやグラハンスタッフ、そして周囲に集まっていた報道陣から、自然と湧いたものだった。
「よか……っ」
緊張の糸が途切れた私は、思わず膝の力が抜けて思わずその場にへたりこむ。
我慢していた涙が次々あふれて頬を濡らし、人目も憚らずに盛大に泣いた。
石狩さんがヤンキー座りで隣に屈み、私の頭を雑に撫でる。