俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
互いの両親、親戚、仕事仲間や友人たちに見守られ、牧師による聖書の朗読に厳かな気持ちで聞き入っている最中、ふと、窓の向こうに飛行機を見つけた。
あれは……なんの機体だろう。
遠いので、大きさがよくわからない。ロゴもよく見えないし――。
しばらくジッと目を凝らしていると、牧師がゴホンと咳払いした。
ハッと我に返り、小声で「すみません」と呟く。
やばい、全然聞いていなかった……結婚式、どこまで進んでいたんだっけ?
慌てていると、耳元で鷹矢さんが「誓います、だ」と囁いた。
「ちっ、誓います……!」
あきらかに慌てる私の様子に、参列者の方から忍び笑いが漏れる。指輪の交換に移って鷹矢さんと向き合うと、仕方のない奴だと言わんばかりの微苦笑を向けられた。
こんな大切な日に、隣の旦那様より飛行機に夢中になるなんて、私の馬鹿……!
手元では粛々と指輪交換を勧めつつ、頭の中で盛大に自分の頭をぽかぽか叩く。
お互いの左手薬指に結婚指輪を通すと、牧師が誓いのキスを促した。
鷹矢さんの大きな手に肩を掴まれて、目を閉じる。
そして唇が触れ合う直前――。