俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
三日後の午前中、フライトバッグに入りきらないほどのロサンゼルス土産とともに、予定通り羽田に帰ってきた。
デブリーフィングを終えて制服から私服に着替え、帰る前に運航整備部のバックオフィスを覗いた。
整備の仕事といえば現場で実際に飛行機を点検、修理するのをイメージしがちだが、現場の整備士だけで仕事が成り立っているわけではない。
機体の不具合の内容や必要な部品、修理にかかる所要時間など必要な情報を管理し、必要に応じて現場の整備士と無線で情報交換するというような、裏方仕事もある。
それを行うのがここ、バックオフィスと呼ばれる場所なのだ。
しかし、とりあえず涼野の姿はなさそうだ。俺はその足で、今度はオフィスに併設した格納庫に移動した。
整備士たちの使用する工具類がそこにまとめて保管されているほか、涼野が担当するライン整備よりも大掛かりなドック整備を行う場所。
機体整備のほか、各種システムの整備、客室のシートの交換など、その内容は多岐にわたる。