俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
巨大な旅客機を構成する部品は、ひとつでも欠けたら不具合の原因になる可能性があるため、整備士たちも、パイロットとはまた別の緊張感とプライドを持ち、業務にあたっているのだ。
格納庫にいる整備士たちに改めてリスペクトの念を抱きつつその場を去ろうとしたら、ふと視線を感じて足を止める。
辺りを見回すと、さっきまで涼野と話していた最上さんが険しく眉間を寄せてジッとこちらを見ていた。仕事の邪魔だと言いたいのかもしれない。
俺にもその自覚はあったので、ぺこりと会釈をして足早に格納庫を後にした。
「お待たせしました!」
十分ほどで、廊下で待っていた俺のもとに涼野がやってきた。
今日の彼女はフリルのついた白の半袖ブラウスに、デニムのショートパンツ、スニーカーを合わせ、大きなリュックを背負ったファッション。長い髪は後頭部の低い位置で団子の形にまとめてある。
先日と同じく、ボーイッシュな服が好きなようである。
そんな涼野をCAたちは〝小学生男子と見紛うような服装〟と評していたが、お前たちの目は節穴かと言いたい。