俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 そっけない男を装ったが、実は涼野への土産選びにはかなりの時間を費やした。

 彼女の好みをまだほとんど知らないため、チョコレートや化粧品、文房具、ぬいぐるみにマグカップなど、あらゆる商品に目移りしながら、結局気になったものは全部買ってきた。

 同じくロサンゼルスにステイしていたCAと店で偶然会ったりすると、誰へのお土産かと探りを入れられた。

 『運航整備部の涼野光里』と正直に答えると、どのCAもそろってぎこちない笑顔になる。パイロットの俺が整備士の涼野に惚れるのがまだ理解できないらしい。

 仕事の上では当然彼女たちを信頼しているし、細やかな接客で乗客をもてなすプロ意識を尊敬もしている。しかし、涼野を見下すような態度だけはいただけない。

 パイロットにCA、整備士だけでなく、グランドスタッフ、ディスパッチャー、管制官といった、空港で働くすべてのスタッフの仕事に上下や優劣はなく、ひとつでも欠けたら飛行機は飛ばせないのだ。

 彼女たちはそれをわかっているのだろうか。

「ちなみに、これからの予定は?」

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