俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない

 続けて「どうぞ」と促され、「いただきます」と手を合わせた。

 スプーンで目玉焼きの黄身を破いて、ガパオライスと一緒に口に入れる。ピリッと辛い中にナンプラーの独特の風味を感じ、癖になる味だ。

「意外です。パイロットは皆さん和食を恋しがるものだとばかり」
「もちろんそういうパイロットも多いけど、俺はむしろ色んな食文化に刺激されていたいタイプだな。まだ訓練生の頃、インドの屋台でたらふく食って帰りのフライトで腹下して、機長に大目玉食らったこともある」
「ええっ! そりゃ怒られますよ……」

 深澄さんは訓練生の頃から完璧なエリートなのかと思っていたから、驚いた。

 彼も恥じ入ったように苦笑する。

「だよな。あの頃は完全にパイロットとしての自覚が足りてなかったんだ。もちろん、それ以来怪しいものには口をつけないようになったけど。だから家でもわりと自炊するんだ。自分の作ったものなら安心だろ?」
「なるほど……」
「で、味はどうだ?」

 深澄さんに改めて聞かれたその時、私のガパオライスはほとんど空に近くなっていた。

 美味しすぎて感想を伝えるのも忘れていたらしい。

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