俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
どんな質問にも答えてくれるパイロットが目の前にいる状況に、ワクワクして仕方がない。
時々甘い言動でからかわれるのは困るけれど、それ以上に彼と飛行機の話をするのが楽しいのだ。
深澄さんほどのエリートパイロットは別世界の人だと勝手に思い込んでいたけれど、飛行機を愛する気持ちは私と同じだとわかってからは、前よりずっと親しみやすくなった。
「またお前は色気のない話題を」
「……ダメですか?」
飛行機が着陸するときの決まりで、『最大着陸重量』というものがある。それより機体が重いと安全に着陸できない可能性があるのだ。
そのため、燃料が多く残った状態で緊急着陸する場合、管制の指示で搭載している燃料を機外に放出して重量を減らしてから着陸する。
専用のノズルが主翼後方に取り付けられており、そこから燃料を空中へ捨てる。といっても高度のある場所で行うため燃料は気化し、地上には影響はない。
……というような基本的な仕組みはもちろん理解しているが、実際にコックピットで一連の操作をするパイロットの話はまだ聞いたことがないので、興味津々だ。