激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 さっき、マグカップを選んだときも微妙なリアクションだった。

〝なぜお揃いに?〟という空気がありありと伝わってきて、距離の縮め方を誤ったのではないかと繰り返し自問自答した。

 嫌だと思っているのは、彼女のほうではないかと不安が募る。


「逆に嫌だったか」

「えっ?」

「お揃いにしようなんて」


 彼女の気持ちが知りたくて、遠慮なく追求してしまったものの、こういうことを訊くこと自体が格好悪いのではないかと後悔が生まれる。


「いえ! そんなことは全然」

 でも、京香はまた首を横に振り否定する。

 自分になかなか向いてくれない彼女の気持ちをどうしたらこちらに向けられるのか。

 自分がつくづくまともな恋愛も経験してこなかったのだと、今になって酷く痛感していた。

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