激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 その日の営業終了後、十九時過ぎ。


「ごめんね、京香ちゃん。帰るところを引き留めて」

「いいえー。全然気にしないでください。そろそろ磨く頃でしたもんね」


 予約のお客様が全て終了し、店じまいをしようとしたところでレストランバーの常連客、八木沼(やぎぬま)さんに爪磨きのオーダーをいただいた。

 八木沼さんは男性のお客様。最近は男性でもネイルサロンに通う意識の高い方も多くいる。

 ネイルサロンが女性の通う場所だと言い切るのは時代遅れだ。

 不動産業を営む八木沼さんは、元々このディライトの常連さんで、マスターの丈さんとも付き合いが長いそう。

 私がここで間借りしてネイルサロンを始めてすぐにお客様になってくれた。男性のお様客第一号だ。

 人と対面しての仕事が多いという八木沼さんは、相手に好印象を与えるひとつとして指先を整えることを希望している。

 ビジネスマンで接客をする男性などには、手先を綺麗にしたいという理由でネイルサロンを利用する男性も少なくない。

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