激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
ニナ・クチュールは有名なアパレルブランド。大手女性誌などに多く取り上げられているからもちろん知ってはいるけれど、今までに一度も購入したことはない。
私には手の届かないファッションブランドなのだ。
透哉さんに手を引かれ、広い店内に入っていく。
明るい店内には展示するような形で商品が並べられ、客と店舗スタッフの姿が数名あった。
「そうなのか。それなら気に入るものを買っていけばいい」
そんな簡単に言うけれど、ここのブランドの服はいい値段をすることで有名。
一般庶民が気軽に買い求められるものではない。だから私はお店にすら入ったことがなかった。
「ドレスコードはブラックなんだが……この辺りのワンピースはどうだ」
透哉さんが向かった先は、ブラック系のワンピースがずらりと吊るされている一角。余所行きの、どちらかというとパーティーなどで着る雰囲気のワンピースだ。
「あ、はい。どれも非常に素敵なんですけど……」
「好みではないか」
「いえ! 滅相もないです!」
尻込みのせいで言葉遣いまでおかしくなる。
「それなら、俺が京香に着てほしいものを選んでも?」
「はい。それで、お願いします」
この中から自分で選ぶのは難しく、時間がかかってしまいそうなため透哉さんの提案に乗っかる。
透哉さんは私の横でハンガーをひとつずつ手に取りワンピースを選別していった。