激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 初めて食事をしたときは、車だからアルコールは飲めないと言っていた。今日も同じ状況のはずなのに、どうするのだろう。

 そんなことを気にしているうち、先ほどの黒服のスタッフがワインの瓶を手に席にやってくる。

 私のグラスと透哉さんのグラスに順にスパークリングワインを注ぎ、失礼しますと席を離れていった。

 入れ替わりで別の黒服のスタッフが前菜のプレートを運んでくる。

 白いプレートの真ん中にカクテルグラスが載り、そこにはキラキラしたジュレとエビなどが入っている。


「乾杯しようか」

「はい」

「なんだかんだ、一緒に飲むのは初めてだな」

「そうですね」


 互いに「乾杯」と手にしたグラスを持ち上げた。

 他愛ない話をぽつりぽつりと交わしながら、普段はあまり口にすることのできない一流の味に舌鼓を打つ。

 ここ数年の誕生日で一番素敵な夜を過ごしているなと、心の中で密かに思っていた。

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