激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 勘違いとは、どういうことなんだろう。

 縁談が進むなど有り得ないなんて、それならあのときのことはどう説明するのだろう。

 腕を引かれたまま無言でマンションの部屋までたどり着き、リビングに入ってやっと透哉さんの手が離れていく。

 ダイニングテーブルには、私が置いて出ていったリングケースと置手紙がそのまま残されていた。


「確かに先日、大神田さん親子にお会いした。俺から会っていただきたいと申し出た。でもそれは、縁談を進めたいと、そんな申し出をするためではない」


 坦々と語り始めた透哉さんの声に黙って聞き入る。

 心拍は速さを保ったまま不安そうにずっと高鳴り続けている。


「今回の縁談は正式にお断りしたいと、謝罪を含めてお会いした」

< 204 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop