激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました



 灰色の空からはちらちらと粉雪が舞っている。

 季節は本格的に冬を迎え、そして新しい年を迎えた。

 妊娠を知らせた翌日、宣言通り透哉さんは私と籍を入れた。

 私は妊娠五か月、安定期へと入ったところだ。


「ありがとうございます」


 運転手にお礼を言い、タクシーを降車する。

 到着したのは、透哉さんの務める香椎総合法律事務所だ。

 訪れるのは久しぶりのこと。受付のある六階にエレベーターで向かう。

 以前来たときと同じく、奥に見える広い事務所内は忙しそうな雰囲気で、少し緊張しながら受付へと向かっていった。そんなとき……。


「京香」


 聞き慣れた声に名前を呼ばれて振り向くと、私が来た方向から透哉さんが追いかけるように近づいてきたのが目に入った。

 今朝、仕事に行くのを見送っているのに、姿を目にしてどきりと鼓動が弾む。


「透哉さん」

「下まで行ったら入れ違ったようだ」


 私の到着を見計らって、わざわざビルの下まで来てくれていたらしい。

 そうとも知らず、事務所まで勝手に上がって来ていた。


「ごめんなさい。わざわざありがとうございます」

「いや、構わない。こっちだ」

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