激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 翌日。

 予定通り予約のお客様の施術を終え、店じまいができたのは十九時半をまわったところ。


「おっ、京香ちゃん、今日はなんかいつもと雰囲気違くない?」


 そろそろ出ようと思っていたところ、カウンター越しの丈さんに話しかけられる。

 カウンター席に着席していた八木沼さんまで私を振り返り、「確かに」と微笑んだ。


「そうですか? いつもと大して変わらないですよ」

「いやいや、スカートなんて滅多に履いてないじゃん」


 丈さんの指摘に、確かにパンツ率が高いことを自覚する。

 そう言われるのも、デニムやリラックスワイドパンツで仕事していることがほとんどだからだ。

 でも、今日はブラックギンガムチェックのマーメイドスカートに、楊柳シフォンのトップスというコーディネート。


「何、もしかして今からデートとかか?」

「ちっ、違います! デートなんてそんなわけ」

「おー、全力否定がますます怪しいな」


 動揺する私を、丈さんは容赦なくからかう。

 耐えられなくなって「違いますからね! お疲れ様でした」と逃げるようにお店をあとにした。

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