俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
「似合うか」
似合わないはずがない。日菜子はコクリとうなずく。彼の前だと、いつもより少しだけ素直になれる気がする。
(善さんがまっすぐな人だから……)
「今日から一緒に出勤するからな」
あまりにもさらりと言われたので、聞き流してしまいそうだった。一拍遅れて、日菜子は声をあげる。
「えっ……」
「当然だろ。社内でもオープンにするんだから。むしろ、積極的に円満であることを見せつけておきたいところだ」
最初はラブラブ夫婦ぶりをアピールする必要があるという彼の主張はもっともなので、返答に困る。理屈はわかるが、せっかくなじめた職場で仕事外の注目を集めることに抵抗がある。もっとはっきり言えば、女性社員からの嫉妬が怖い。
(やっぱりこんな契約結婚、問題ありだったかな……)
しかし、意外にも社内でふたりの結婚は好意的に受け入れられた。日菜子が氷堂地所のひとり娘であることはもう薄々気づかれていたので、当人同士の意思とは無関係の政略結婚と思われたからかもしれない。
日菜子が善を苦手に思っていることを知っていた南だけは、ひどく驚いていた。
「ほ、本当に善と結婚するの? 意に沿わない政略結婚ってこと?」
「きっかけがお見合いであることは否定しませんが、結婚を決めたのは私の意思です」
嘘をつくのは得意でないから、できるだけ真実に近い答えを心がけた。
似合わないはずがない。日菜子はコクリとうなずく。彼の前だと、いつもより少しだけ素直になれる気がする。
(善さんがまっすぐな人だから……)
「今日から一緒に出勤するからな」
あまりにもさらりと言われたので、聞き流してしまいそうだった。一拍遅れて、日菜子は声をあげる。
「えっ……」
「当然だろ。社内でもオープンにするんだから。むしろ、積極的に円満であることを見せつけておきたいところだ」
最初はラブラブ夫婦ぶりをアピールする必要があるという彼の主張はもっともなので、返答に困る。理屈はわかるが、せっかくなじめた職場で仕事外の注目を集めることに抵抗がある。もっとはっきり言えば、女性社員からの嫉妬が怖い。
(やっぱりこんな契約結婚、問題ありだったかな……)
しかし、意外にも社内でふたりの結婚は好意的に受け入れられた。日菜子が氷堂地所のひとり娘であることはもう薄々気づかれていたので、当人同士の意思とは無関係の政略結婚と思われたからかもしれない。
日菜子が善を苦手に思っていることを知っていた南だけは、ひどく驚いていた。
「ほ、本当に善と結婚するの? 意に沿わない政略結婚ってこと?」
「きっかけがお見合いであることは否定しませんが、結婚を決めたのは私の意思です」
嘘をつくのは得意でないから、できるだけ真実に近い答えを心がけた。