魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
ジンギスカンの誘いを断っておいてよかった。
俺は椎名を連れて、空港ターミナルビル内のレストランに入った。
夕食時で広い店内の席はほぼ埋まっているが、四人掛けのボックスシート仕様の席に通された。
外ではやたら目立つパイロットの制服のままでも、周りからの視線はそれほど気にせずに済む。
「ほら、乾杯」
俺は烏龍茶のグラスを持って、椎名の前に置かれたグラスにぶつけた。
応答を待たずにグラスを傾けると、正面から視線を感じる。
「……なに?」
居心地悪くなって眉をひそめると、彼女は「い、いえ」と背筋を伸ばす。
「今日はお酒飲まないんだなって」
「ああ」
俺はグラスを置いて頷いた。
「明日、デッドヘッドだから」
「え?」
「東京まで便乗。あくまでも業務移動だから、万が一の場合、コックピットに駆り出される。その可能性がゼロじゃない以上、予定乗務じゃなくても飲めないだろ」
そう説明しながら足を組み上げた時、店員が料理を運んで来た。
椎名はテーブルに皿を並べて離れていく店員を見送って、改まった顔で俺に視線を戻す。
「それで、明後日からはパリ、ですよね」
「え?」
俺は椎名を連れて、空港ターミナルビル内のレストランに入った。
夕食時で広い店内の席はほぼ埋まっているが、四人掛けのボックスシート仕様の席に通された。
外ではやたら目立つパイロットの制服のままでも、周りからの視線はそれほど気にせずに済む。
「ほら、乾杯」
俺は烏龍茶のグラスを持って、椎名の前に置かれたグラスにぶつけた。
応答を待たずにグラスを傾けると、正面から視線を感じる。
「……なに?」
居心地悪くなって眉をひそめると、彼女は「い、いえ」と背筋を伸ばす。
「今日はお酒飲まないんだなって」
「ああ」
俺はグラスを置いて頷いた。
「明日、デッドヘッドだから」
「え?」
「東京まで便乗。あくまでも業務移動だから、万が一の場合、コックピットに駆り出される。その可能性がゼロじゃない以上、予定乗務じゃなくても飲めないだろ」
そう説明しながら足を組み上げた時、店員が料理を運んで来た。
椎名はテーブルに皿を並べて離れていく店員を見送って、改まった顔で俺に視線を戻す。
「それで、明後日からはパリ、ですよね」
「え?」