魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
姉、いや母親のように偉そうで、そのくせしょっちゅう熱を出し、しゅんとしおらしくしている時は妹のようでもあって。
要領ばかりよく、妙に擦れたドライな子供だった俺も、彼女といる時だけは素の自分になれた。
遠慮なく我儘になれる相手への好意が恋に変わるのに、そう時間は必要なかった。
だが、彼女と恋人同士になりたいと思ったことはない。
なにせ、欲しいものを手にした試しがない。
俺が本気で欲した瞬間、俺の手から遠く離れていくと思っていたからだ。
そんなわけで、俺は二十年以上の間、瞳と幼馴染の関係を保てたことに満足していた。
しかし……。
瞳と佐伯の交際開始報告を聞いた時、俺がはなから諦めていたものを難なく手に入れた彼を、羨ましく感じた。
執着や固執を知らず、それ故に人と比べて優劣をつけることにも無関心だった俺が、今まで他人に覚えたことのない初めての羨望。
佐伯への劣等意識に苛まれるようになって、一年――。
俺は後輩の風見から、合コンに誘われた。
『女の子みんな持ってかれちゃうし、本当は神凪さんを誘いたくないんですけど、一人足りなくて』
自身の欲望に忠実で、悪びれない彼は嫌いじゃない。
女性側は普段あまり接することのない裏方職種だと聞き、俺は副操縦士という職業を伏せて参加すると約束した。
要領ばかりよく、妙に擦れたドライな子供だった俺も、彼女といる時だけは素の自分になれた。
遠慮なく我儘になれる相手への好意が恋に変わるのに、そう時間は必要なかった。
だが、彼女と恋人同士になりたいと思ったことはない。
なにせ、欲しいものを手にした試しがない。
俺が本気で欲した瞬間、俺の手から遠く離れていくと思っていたからだ。
そんなわけで、俺は二十年以上の間、瞳と幼馴染の関係を保てたことに満足していた。
しかし……。
瞳と佐伯の交際開始報告を聞いた時、俺がはなから諦めていたものを難なく手に入れた彼を、羨ましく感じた。
執着や固執を知らず、それ故に人と比べて優劣をつけることにも無関心だった俺が、今まで他人に覚えたことのない初めての羨望。
佐伯への劣等意識に苛まれるようになって、一年――。
俺は後輩の風見から、合コンに誘われた。
『女の子みんな持ってかれちゃうし、本当は神凪さんを誘いたくないんですけど、一人足りなくて』
自身の欲望に忠実で、悪びれない彼は嫌いじゃない。
女性側は普段あまり接することのない裏方職種だと聞き、俺は副操縦士という職業を伏せて参加すると約束した。