魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
瞳が前に回り込んできて、俺は反射的に足を止めた。
「……なんて」
「なんだっていいじゃない。お疲れ様、でもなんでも」
瞳はなにやら勝ち誇ったような顔をして、背筋を伸ばす。
「それだけのために、わざわざ?」
「嬉しいもんだよ。遠く離れてても、大好きな人が『フライトお疲れ様』って言ってくれると」
彼女にしては稀なはにかんだ笑顔を、ジッと見つめる。
俺は溜め息をついて、彼女を避けて通り過ぎた。
「俺からかけたら、逆だろ」
「別にいいじゃない。愁生の方から、『お疲れ様』って言っても」
瞳は勢い込んで、のしのしと追ってくる。
「きゅんとさせてあげなさいよ。愁生なら、お手のものでしょ?」
隣に並んで断定的に言われて、俺は口を噤んだ。
口元に手を遣り、視線を彷徨わせて……。
「お手のものだったら、よかったんだけどな」
「え?」
悪気なく聞き返され、かぶりを振って誤魔化す。
たとえ俺が芽唯を好きになっているとしても、彼女のあのつれなさ、素っ気なさを見れば、好かれるどころか不信感を煽っただけなのはわかる。
どこからかせり上がってくるこの危機感も、俺が芽唯に向ける欲望が本物の恋だから?
――正真正銘、調子が狂う。
「……なんて」
「なんだっていいじゃない。お疲れ様、でもなんでも」
瞳はなにやら勝ち誇ったような顔をして、背筋を伸ばす。
「それだけのために、わざわざ?」
「嬉しいもんだよ。遠く離れてても、大好きな人が『フライトお疲れ様』って言ってくれると」
彼女にしては稀なはにかんだ笑顔を、ジッと見つめる。
俺は溜め息をついて、彼女を避けて通り過ぎた。
「俺からかけたら、逆だろ」
「別にいいじゃない。愁生の方から、『お疲れ様』って言っても」
瞳は勢い込んで、のしのしと追ってくる。
「きゅんとさせてあげなさいよ。愁生なら、お手のものでしょ?」
隣に並んで断定的に言われて、俺は口を噤んだ。
口元に手を遣り、視線を彷徨わせて……。
「お手のものだったら、よかったんだけどな」
「え?」
悪気なく聞き返され、かぶりを振って誤魔化す。
たとえ俺が芽唯を好きになっているとしても、彼女のあのつれなさ、素っ気なさを見れば、好かれるどころか不信感を煽っただけなのはわかる。
どこからかせり上がってくるこの危機感も、俺が芽唯に向ける欲望が本物の恋だから?
――正真正銘、調子が狂う。