魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
「……私じゃない」

「もーっ、芽唯っ。照れてるの?」


私が意固地になって認めないと思ったのか、痺れを切らす遥に、


「そうじゃなくて。……わからないんだもの、本当に」


溜め息で応えた。
神凪さんが好きなのは、やっぱり今野さんだ。
あの夜も今も、それはわかりきってる。


私のことが好きなんじゃないくせに。
でも、本気で嫌だったら拒めたはずだ。
なのに私は、流された。
自分の気持ちもよくわからないのに、あの一晩で彼のものになったなんて思いたくない。


半分ほど残った朝定食に目を落としたものの、食欲は失せてしまい、脇に退けた。
遥は、意味がわからないといった顔をしている。


「ね。それより、遥のこと教えてよ」


私が声のトーンを明るくして話題を変えると、「へっ!?」とひっくり返った声をあげた。


「遥この間、最初は久遠さんのこと最低って思ってたって言ったじゃない。あれ、気になってたの」


私が彼女の方に身を乗り出すと同時に、テーブルの端っこに伏せて置いておいたスマホが振動した。


「あ。芽唯、電話電話!」


遥は話を逸らそうとしてか、私に応答を急かす。


「もう。こんな朝っぱらから誰……」
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