魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
「よかったよかった。831K、復帰フライト確定したそうだから」
弾む言葉と共に、鼻の頭を油で汚した佐伯さんがひょこっと顔を出す。
「そうなんですか? よかった。いつです?」
「明日の新千歳便」
「え」
私は思わず目を丸くした。
「それって……」
「そう。副操縦士は神凪」
佐伯さんがこちらに歩いてきて、訳知り顔でニヤリと笑う。
「ああ。俺がわざわざ言わなくても、お前は神凪のフライトくらい、一ヵ月先まで把握してるか」
「! そ、そんなに知らないですよ。この間のパリ便の後、一本目が明日の新千歳ってだけで……」
焦って弁解に回ったものの、余計ニヤニヤされて、カマをかけられたと気付く。
カーッと顔を茹だらせる私に、佐伯さんが「ごめんごめん」と肩を揺らした。
「俺、神凪とお前のこと、自分のことみたいに嬉しくて」
「それは最初からじゃないですか」
目尻に涙まで浮かべて言われ、私は気恥ずかしくなって、ややつっけんどんにツッコんだ。
佐伯さんは気にした様子もなく、うんうんと相槌を打つ。
「アイツには、俺以上の幸せ掴んでほしかったからさ」
トーンを落とした低い声に、なにか深いニュアンスを感じた。
弾む言葉と共に、鼻の頭を油で汚した佐伯さんがひょこっと顔を出す。
「そうなんですか? よかった。いつです?」
「明日の新千歳便」
「え」
私は思わず目を丸くした。
「それって……」
「そう。副操縦士は神凪」
佐伯さんがこちらに歩いてきて、訳知り顔でニヤリと笑う。
「ああ。俺がわざわざ言わなくても、お前は神凪のフライトくらい、一ヵ月先まで把握してるか」
「! そ、そんなに知らないですよ。この間のパリ便の後、一本目が明日の新千歳ってだけで……」
焦って弁解に回ったものの、余計ニヤニヤされて、カマをかけられたと気付く。
カーッと顔を茹だらせる私に、佐伯さんが「ごめんごめん」と肩を揺らした。
「俺、神凪とお前のこと、自分のことみたいに嬉しくて」
「それは最初からじゃないですか」
目尻に涙まで浮かべて言われ、私は気恥ずかしくなって、ややつっけんどんにツッコんだ。
佐伯さんは気にした様子もなく、うんうんと相槌を打つ。
「アイツには、俺以上の幸せ掴んでほしかったからさ」
トーンを落とした低い声に、なにか深いニュアンスを感じた。