魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
いきなりすぎる要望にきょとんとする私に、愁生さんがムッと口を曲げる。
「それとも、料理の腕前は壊滅的とか?」
「人並みです。プロにはほど遠いけど」
「別に、プロの腕前なんか求めてない。カレーでも、無理なら目玉焼きでもいいから」
私の返答に苦笑して、ポリッと頬を掻いた。
そして。
「それ、返さなくていいから」
「っ、え?」
「あー……だから、合鍵ってヤツ。俺がいてもいなくても、いつでも来ていい。って言うか、来い」
一方的に言うだけ言って、やけにそそくさと踵を返した。
らしくなく肩を縮めてハンガーから出ていく彼の背中を、私は呆気に取られて見送って――。
「目玉焼きって、バカにしすぎじゃない?」
憤慨して独り言ちたものの、手の平の鍵を見ると胸がきゅんと疼く。
「……っ」
ときめいて、ドキドキと鼓動が弾むのを自覚して、慌てて胸に手を置いた。
愁生さんの家の合鍵に、体温が浸透して同化するほど、ぎゅうっと握りしめる。
「返さなくていい合鍵……絶対、誰にも渡したことないよね」
疑念をよぎらせるまでもなく、絶対私だけという優越感が湧いてくるから不思議だ。
私は無自覚に火照る頬に手を当てて冷ましてから、作業着の胸ポケットに彼の部屋の鍵を大事に忍ばせた。
「それとも、料理の腕前は壊滅的とか?」
「人並みです。プロにはほど遠いけど」
「別に、プロの腕前なんか求めてない。カレーでも、無理なら目玉焼きでもいいから」
私の返答に苦笑して、ポリッと頬を掻いた。
そして。
「それ、返さなくていいから」
「っ、え?」
「あー……だから、合鍵ってヤツ。俺がいてもいなくても、いつでも来ていい。って言うか、来い」
一方的に言うだけ言って、やけにそそくさと踵を返した。
らしくなく肩を縮めてハンガーから出ていく彼の背中を、私は呆気に取られて見送って――。
「目玉焼きって、バカにしすぎじゃない?」
憤慨して独り言ちたものの、手の平の鍵を見ると胸がきゅんと疼く。
「……っ」
ときめいて、ドキドキと鼓動が弾むのを自覚して、慌てて胸に手を置いた。
愁生さんの家の合鍵に、体温が浸透して同化するほど、ぎゅうっと握りしめる。
「返さなくていい合鍵……絶対、誰にも渡したことないよね」
疑念をよぎらせるまでもなく、絶対私だけという優越感が湧いてくるから不思議だ。
私は無自覚に火照る頬に手を当てて冷ましてから、作業着の胸ポケットに彼の部屋の鍵を大事に忍ばせた。