魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
午後六時半。
私が夕食の支度を終えたタイミングで、玄関の鍵が開く音がした。
「あ」
一旦コンロの火を止め、パタパタ走ってキッチンを出る。
玄関で愁生さんが靴を脱いでいた。
フライトの時は制服だし、通勤の服装もカジュアルだけど、今日はスーツ。
さっきハンガーで会った時は、カッコいいけど違和感くらいにしか思わなかったけど、改めて見ると、オフィス街でバリバリ働いていそうな、できるビジネスマンといったイメージだ。
そのせいで、夕食を作って旦那様の帰宅を待っていた新妻になった気分になって、妙にドギマギしてしまう。
この動揺を気取られたら、絶対からかい倒される……!
私は無駄に気合を入れて玄関口に進み、
「お、お帰りなさい」
緊張しながら声をかけると、愁生さんが床に置いた荷物を手に、ゆっくり背を起こした。
「ただいま」
私にそう応えてから、明後日の方向に視線を向ける。
なにか落ち着かない様子が不審で、
「あ。カレーの匂いがしないって思ってます?」
私がポンと手を打つと、愁生さんは苦笑した。
「違うよ。なかなかいいもんだなって」
「?」
「いいよ。お前はわからなくて」
一方的に話題を引き取ると、私の肩を軽く押し退け、廊下を奥へ進んでいく。
私が夕食の支度を終えたタイミングで、玄関の鍵が開く音がした。
「あ」
一旦コンロの火を止め、パタパタ走ってキッチンを出る。
玄関で愁生さんが靴を脱いでいた。
フライトの時は制服だし、通勤の服装もカジュアルだけど、今日はスーツ。
さっきハンガーで会った時は、カッコいいけど違和感くらいにしか思わなかったけど、改めて見ると、オフィス街でバリバリ働いていそうな、できるビジネスマンといったイメージだ。
そのせいで、夕食を作って旦那様の帰宅を待っていた新妻になった気分になって、妙にドギマギしてしまう。
この動揺を気取られたら、絶対からかい倒される……!
私は無駄に気合を入れて玄関口に進み、
「お、お帰りなさい」
緊張しながら声をかけると、愁生さんが床に置いた荷物を手に、ゆっくり背を起こした。
「ただいま」
私にそう応えてから、明後日の方向に視線を向ける。
なにか落ち着かない様子が不審で、
「あ。カレーの匂いがしないって思ってます?」
私がポンと手を打つと、愁生さんは苦笑した。
「違うよ。なかなかいいもんだなって」
「?」
「いいよ。お前はわからなくて」
一方的に話題を引き取ると、私の肩を軽く押し退け、廊下を奥へ進んでいく。