魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
「あ、待って」
私は首を捻りながらも、気を取り直して彼を追った。
廊下の先は広々としたリビングで、右手の奥に立派なダイニングキッチンがある。
初めてお邪魔した時はゆっくり眺める余裕はなかったけど、今日はじっくり観察する時間があった。
このリビングダイニングの他に、部屋は三つ。
バルコニーに面しているドアが、九畳ほどの広さがある寝室なのは、この間入れてもらったから知っている。
残り二つはどう使っているのかわからないけれど――。
『俺がいてもいなくても、いつでも来ていい』という言葉を真に受けて入り浸ったら、すぐに新婚さんみたいな生活になりそう……な~んて妄想がはかどり、そんな自分に慌てふためいた。
雑念を払い除けようと夕食作りに取りかかったものの、その間もソワソワしてしまったことを思い出す。
今もまた一人変な汗を掻く私の隣で、愁生さんはキッチンの方を向いてくんくん鼻を利かせていた。
「なんの匂い?」
「あ。胡麻豆乳鍋にしたんです」
質問されてハッと我に返り、彼の横をいそいそと通り過ぎる。
「鍋」
「カレーが食べたいのかと思ったんですけど、せっかく二人だし。一人より二人の方が美味しいもの……って考えて、今日は寒いから鍋でしょ!ってなって」
私は首を捻りながらも、気を取り直して彼を追った。
廊下の先は広々としたリビングで、右手の奥に立派なダイニングキッチンがある。
初めてお邪魔した時はゆっくり眺める余裕はなかったけど、今日はじっくり観察する時間があった。
このリビングダイニングの他に、部屋は三つ。
バルコニーに面しているドアが、九畳ほどの広さがある寝室なのは、この間入れてもらったから知っている。
残り二つはどう使っているのかわからないけれど――。
『俺がいてもいなくても、いつでも来ていい』という言葉を真に受けて入り浸ったら、すぐに新婚さんみたいな生活になりそう……な~んて妄想がはかどり、そんな自分に慌てふためいた。
雑念を払い除けようと夕食作りに取りかかったものの、その間もソワソワしてしまったことを思い出す。
今もまた一人変な汗を掻く私の隣で、愁生さんはキッチンの方を向いてくんくん鼻を利かせていた。
「なんの匂い?」
「あ。胡麻豆乳鍋にしたんです」
質問されてハッと我に返り、彼の横をいそいそと通り過ぎる。
「鍋」
「カレーが食べたいのかと思ったんですけど、せっかく二人だし。一人より二人の方が美味しいもの……って考えて、今日は寒いから鍋でしょ!ってなって」