魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
心臓のド真ん中をズバッと撃ち抜く結論に、私はごくりと喉を鳴らした。


「わ、わかってます。そのくらい。だから、迷惑になるだけだって言ってるじゃないですか」


俯いて奥歯を噛み、言い負かされた悔しさをのみ込む。


「別に、人のものを欲しがったりしないし、彼女から奪おうなんて無謀なこと考えてない。だから喋らないでってお願いしてるのに……!」

「いいよ」

「っ、え?」

「黙っててやる」


早口で捲し立てるうちに興奮が強まっていた私は、さらりと口を挟まれて一瞬拍子抜けした。
勢いを削がれ、忙しなく瞬きを繰り返す。


神凪さんがギシッとベッドを軋ませ、おもむろに腰を浮かせた。
いやに優雅な立ち振る舞いで私の前にしゃがみ込み、床に片膝を突くと。


「その代わり、条件がある。俺の女になれ」


真正面から目線を合わせ、わざわざ一言ずつ区切って言って退けた。
私は、そういう形に動く薄い唇を、すぐ目の前で見ていたのに。


「お前も空の人と付き合えば、自信持てるんじゃない?」

「……は?」


言われた意味がまったく理解できず、瞬きも忘れて聞き返した。


「口説いてるんだけど」


神凪さんは気分を害した様子もなく、無駄に妖艶に目を細め――。
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