魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
「あの日勤務に入ってから、女性側に一人欠員が出ちゃって。数合わせしないとって困ってたから……」


――まあ、合コンって、そういうもんか。
私は尋問を諦め、溜め息をついてかぶりを振った。
気を取り直して箸を持ち直すと、遥も上目遣いで窺いながら、私に倣う。
メンチカツを口に運ぶ私を見つめて……。


「芽唯。その合コンで、神凪さんどうだった?」

「っ、ごほっ」


突拍子のない質問に、私は思わず噎せ返った。
慌ててドンドン胸を叩き、水が入ったグラスを手に取る。
一気に半分飲み干して落ち着くと、お腹の底から深い息を吐いた。


「それ、どういう意図の質問?」


警戒しながら問い返す私に、遥は首を傾げた。
ご飯を口に入れ、モグモグと動かしてから、視線を上に向ける。


「神凪さんって、ちょっとミステリアスな人だから。合コンなんて、よくOKしたなあって不思議で」

「……ミステリアス?」


一瞬、異世界のワードを耳にした気分になって、私はたどたどしく反芻した。
遥が、「うん」と相槌を打つ。


「コーパイになって三年目らしいけど、副操縦士席に着いてる時の落ち着きと度胸は、全パイロットの中でも群を抜くって、久遠さんが言ってた」
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