魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
「……へえ」

「クルーや私たちグランドスタッフには、普通に愛想がいい。女性受けバッチリ。久遠さんと、彼の同期の水無瀬(みなせ)さんに張る人気っぷり」


言い回しを考えるように続けるのを聞きながら、私は首を捻った。
神凪さんの同期の水無瀬さん……もちろん佐伯さんとも同期だ。
明るく気さくで人当たりのいいイケメン。
休憩時間で一緒にご飯を食べたりする時、佐伯さんが同期の話をしてくれるから、私は直接面識がないのに、水無瀬さんの人柄をよく知っている気がする。


でも、神凪さんのことは聞いたことがなかった。
水無瀬さんの奥様は佐伯さんの彼女の親友だそうで、同期の中でも特に親しいのだろうけど、神凪さんはそうではないから話題にしなかったとか――?
つい思考を巡らせた私の耳に、「でもね」と遥の声が割って入った。


「言い方が正しいかわからないけど……周りからの高評価は、裏の顔な気がする」

「は?」


言葉通り言いあぐねる彼女に、私は反射的に声を挟んだ。


「裏? 表じゃなくて?」

「うん……。あ、でも、二面性とか裏表があるとか、そういうんじゃなくてね。女の子に愛想はいいけど適当? なんて言えばいいかな……本当の自分は誰にも見せない人?」


遥がちょっと慌てたように言い直す。
それを聞いて、私は無意識にゴクッと喉を鳴らした。
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