魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
「学習しないやつだな。また俺に返しに来させたいのか」
神凪さんが私の手を掴んで止めた。
「帰りは送るから、もうちょっと付き合え」
「話す時間も無駄じゃないですか」
「冷たい女だな。人と話す時間を無駄とか言うなよ」
わりと真顔で詰られ、私は虚を衝かれて口ごもった。
神凪さんは、ムッと顔を歪めて溜め息をついた。
長い足を軽く組み上げ、顔の前で両手の指を絡める。
「どうやらお前、その辺の女のように簡単じゃないようだから、はっきり言う。確かに俺は、現時点でお前のことが好きなわけじゃない。他の男のことしか考えてない女なんて、まっぴらごめんだからな」
「っ、だったら」
『なんでキスなんか』
ムキになって口走りかけて、すんでのところでのみ込んだ。
「え?」と横目を流され、慌ててブンブン首を横に振る。
どう見ても、彼の方は意識の片隅にも留めていないのがわかる。
私だけが何度も思い出してドキドキ……いや、ムカムカしてたなんて知られたら屈辱だ。
きつく唇を結んで黙り込む私を、神凪さんは胡散臭そうに眺めてから、小さな吐息を漏らした。
その時、窓の外で、ゴーッという微かな音が聞こえた。
このホテルは羽田空港に近いから、これからランディングする飛行機のエンジン音だろう。
私は、無意識に身を乗り出した。
窓の外に広がる、宝石箱を散りばめたような無数の光の中に、飛行機の主翼の赤と緑のランプを探す。
神凪さんが私の手を掴んで止めた。
「帰りは送るから、もうちょっと付き合え」
「話す時間も無駄じゃないですか」
「冷たい女だな。人と話す時間を無駄とか言うなよ」
わりと真顔で詰られ、私は虚を衝かれて口ごもった。
神凪さんは、ムッと顔を歪めて溜め息をついた。
長い足を軽く組み上げ、顔の前で両手の指を絡める。
「どうやらお前、その辺の女のように簡単じゃないようだから、はっきり言う。確かに俺は、現時点でお前のことが好きなわけじゃない。他の男のことしか考えてない女なんて、まっぴらごめんだからな」
「っ、だったら」
『なんでキスなんか』
ムキになって口走りかけて、すんでのところでのみ込んだ。
「え?」と横目を流され、慌ててブンブン首を横に振る。
どう見ても、彼の方は意識の片隅にも留めていないのがわかる。
私だけが何度も思い出してドキドキ……いや、ムカムカしてたなんて知られたら屈辱だ。
きつく唇を結んで黙り込む私を、神凪さんは胡散臭そうに眺めてから、小さな吐息を漏らした。
その時、窓の外で、ゴーッという微かな音が聞こえた。
このホテルは羽田空港に近いから、これからランディングする飛行機のエンジン音だろう。
私は、無意識に身を乗り出した。
窓の外に広がる、宝石箱を散りばめたような無数の光の中に、飛行機の主翼の赤と緑のランプを探す。