魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
***
俺の手を払って逃げ去っていく背中を見送って、俺は鼻から短い息を吐いた。
椅子を回転させて出入口に背を向け、正面の大きな窓に向き直る。
頬杖をつき、ビールのグラスを片手で持ってユラユラ揺らしながら、窓の外の夜空を見据えた。
「俺の遊び、か。まあ、そういう反応だろうな」
ポツリと独り言ち、頬杖をついた方の小指で唇をなぞる。
『でも、目出度い。そっかそっか、おめでとう!』
佐伯の素朴で気さくな笑顔が網膜に焼きついていて、椎名に逃げられた後で自嘲的な俺の心を逆撫でする。
こんなに嫌がられてるのに、なにが目出度いだ。
いつからか、彼に対して抱くようになった劣等感が頭をもたげ、俺は唇に手の甲を当てた。
――構うなよ、俺に興味もない女なんか。
らしくない俺を、冷ややかに諫める自分がいる。
実直な佐伯に惚れてる女が、彼とは真逆な俺になびくわけがない。
夕刻、彼と出くわした時の椎名の態度、表情を見れば火を見るより明らかだ。
そんな女に、『俺の女になれ』だなんて。
「……ほんとに、なにやってんだろうな、俺」
冷静な自分に同意して、グラスを持ち上げグッとビールを呷る。
一気に半分ほど飲み干し、グラスをやや強めにカウンターに戻して、肩を動かして溜め息をついた。
求めるなんて性に合わない。
そんなことは、俺自身が一番よく知っている。
俺の手を払って逃げ去っていく背中を見送って、俺は鼻から短い息を吐いた。
椅子を回転させて出入口に背を向け、正面の大きな窓に向き直る。
頬杖をつき、ビールのグラスを片手で持ってユラユラ揺らしながら、窓の外の夜空を見据えた。
「俺の遊び、か。まあ、そういう反応だろうな」
ポツリと独り言ち、頬杖をついた方の小指で唇をなぞる。
『でも、目出度い。そっかそっか、おめでとう!』
佐伯の素朴で気さくな笑顔が網膜に焼きついていて、椎名に逃げられた後で自嘲的な俺の心を逆撫でする。
こんなに嫌がられてるのに、なにが目出度いだ。
いつからか、彼に対して抱くようになった劣等感が頭をもたげ、俺は唇に手の甲を当てた。
――構うなよ、俺に興味もない女なんか。
らしくない俺を、冷ややかに諫める自分がいる。
実直な佐伯に惚れてる女が、彼とは真逆な俺になびくわけがない。
夕刻、彼と出くわした時の椎名の態度、表情を見れば火を見るより明らかだ。
そんな女に、『俺の女になれ』だなんて。
「……ほんとに、なにやってんだろうな、俺」
冷静な自分に同意して、グラスを持ち上げグッとビールを呷る。
一気に半分ほど飲み干し、グラスをやや強めにカウンターに戻して、肩を動かして溜め息をついた。
求めるなんて性に合わない。
そんなことは、俺自身が一番よく知っている。