魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
機体前方をチェックしていた先輩が、自分の背後を親指でひょいと指し示す。
そちらに視線を動かし、私はドキッとして息をのんだ。
私と目が合うと同時に丁寧に頭を下げたのは、シャンとしたスマートな制服がよく似合う、綺麗な纏め髪のCA、今野さんだった。


「っ、え?」


私は戸惑って足を竦ませ、反射的にキョロキョロと辺りを見回した。
私が動かないせいで、今野さんの方からゆっくりこちらに歩み寄ってくる。


「今野と申します。お仕事中、すみません」


私の前で両足を揃えて立ち止まり、ちょっとぎこちなく微笑んだ。


「い、いえ」


私は弾かれたように首を横に振ってから、小さく肩を縮める。


「あの……佐伯さんなら、今日は公休で」

「え? ううん。充……佐伯君じゃなくて」


今野さんはやや意表をつかれた顔をしてから、柔らかく目尻を下げた。


「あなたと。椎名さんと話がしたいの。時間もらえませんか」

「私と、ですか」

「ええ」


当惑する私に、大きく頷いて応える。
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