先生と私の三ヶ月
 姿勢を正して深呼吸をした。これから話す事は妻として惨めな事で、話すのに勇気がいる。

 先生を見ると、私の気持ちを察するように優しく頷いた。たったそれだけの事で勇気をもらえる。私は思い切って純ちゃんの話をした。

「実は結婚した時から純ちゃんと寝室が別々なんです。一人じゃないとぐっすり眠れないと言われて。浮気しているのかなって少し思いました。でも、純ちゃんは毎日帰って来てくれるし、私の作った晩御飯を食べてくれるし、帰宅した純ちゃんから女性の気配を感じる事はなかったから、私の勘違いだと思って、寝室が別な事は気にしないようにしていたんです。だけど」

 あの日の事が胸に過る。

「夜、純ちゃんがコンビニに行くと言って出て行ったんですけど、財布を忘れて行って。それで追いかけたんです。そしたら、マンション前の公園のベンチに純ちゃんが座っていて、電話をしていたんです」

 思い出すだけで胸が締め付けられる。
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