先生と私の三ヶ月
たどたどしい日本語で外人さんが説明してくれる。話をまとめるとここは空港内にある医務室で、倒れた私を空港の人が運んでくれたらしい。

 説明してくれてるのはソルボンヌ大学で日本語を勉強してる学生のフランシスさんで、空港で日本語ガイドのアルバイトをしていて、ずっと付き添ってくれていたようだ。私が日本人だとわかったのはパスポートを見たからだそうだ。

 日本語と英語を交えながら何とかそのぐらいの事はわかった。ここまで理解するのに一時間以上かかった。

 次の瞬間18時48分発のTGVに乗らなきゃいけなかった事を思い出した。

「今、何時ですか?」
「ヨルのテン、フィフティーン」
「10時15分?」
「ハイ」

 えっ……。
 もうそんな時間なの?
 
 どうしよう。電車に乗り遅れた。でも、何とかモンサンミッシェルに行かないと。

「キョウハ、モウ、TrainもBUSもナイデス」
 モンサンミッシェルに行きたい事を伝えると、フランシスさんに言われた。
 今日はこれ以上の移動はできないのか。泊まる所とかどうしよう。

 そうだ。望月先生に電話すればいいんだ。手配してくれるかも。

 バッグはどこ?
 枕元にはパスポートと望月先生に届けるショルダーバックしかない。財布とスマホを入れていた私のバッグがない。
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