オー!マイ・ハワイ!
いやいやダメダメ。大手企業の副社長、結婚する気なし。とにかくお披露目パーティーを乗り越えることが、私に課せられたミッションなんだから。それを遂行しなくっちゃ。

手を繋いだり、腕を組んだりした感覚や、近づいたときの修二のにおい。なんかすごく好きな感じなんだよな。このまま別れてしまうのは悲しすぎる。かといって、自分の本心を伝えるのも怖い。

いや、どうせ別れるのなら、好きだと伝えてみようか。修二が受け入れてくれれば、恋人としてパーティーに参加すればいいし、ダメなら婚約者のフリだけして帰国すればいいのだから。うん、保険はかけられる。そして日本に戻って、元のロープウェイの添乗員に戻る……。

ロープウェイの仕事は好きだけど、急に現実に戻されたようでシュンとしてしまう。修二と知り合ったのはきのうだ。でも……私は修二が好きだ。理屈じゃなくて、本能で。「まなみ、なんか考えごと?」

考えこんでいたまなみは、ハッとして修二の顔を見た。ニコッと愛想笑いをして、なんでもないといって溶けて水になったシェイブアイスの残りを全部飲み干した。

「大丈夫? 調子悪い?」
「平気、ありがとう。あー、美味しかった!」
「次はどこ行きたい?」
「いま、何時?」
「2時半。なんか予定あった?」

予定と聞かれてハッとする。占いの予約! きょうじゃなかったっけ? あわててスマホを見ようとするも、あれ……ない。

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