破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「ラウィーニア! そうよ。この薬を飲ませなきゃいけなくて……ランスロットは、何処にいるの?」
あんな魔物に接近して死ぬ思いまでして取りに言った薬の小瓶を彼女に見せると、いかにも美味しくなさそうな色を見て微妙な顔になった。気持ちは、とてもわかる。
「ランスロットなら、自室で待機をしているはずよ。彼の部屋は、三階の私たちの使っている右隣だから」
王太子の警護に来ている訳なので、仕事がしやすいようにランスロットの部屋は隣なんだと納得してから私は階段を慌てて駆け上った。
◇◆◇
ラウィーニアに聞いた通りの部屋の扉を叩けば、それはすぐに開いた。
リーズの話の通りに私の事も、綺麗さっぱり忘れてしまっているんだろう。ランスロットは、不思議そうな顔をして私に尋ねた。
「……何か?」
「何も言わずに、これを飲んで欲しいの」
無表情を崩さない彼は私が渡した紫色の小瓶の中を見て、動揺が走ったのを感じた。私が一目見てもとっても怪しそうなので、気持ちはわかる。
「これは?」
あんな魔物に接近して死ぬ思いまでして取りに言った薬の小瓶を彼女に見せると、いかにも美味しくなさそうな色を見て微妙な顔になった。気持ちは、とてもわかる。
「ランスロットなら、自室で待機をしているはずよ。彼の部屋は、三階の私たちの使っている右隣だから」
王太子の警護に来ている訳なので、仕事がしやすいようにランスロットの部屋は隣なんだと納得してから私は階段を慌てて駆け上った。
◇◆◇
ラウィーニアに聞いた通りの部屋の扉を叩けば、それはすぐに開いた。
リーズの話の通りに私の事も、綺麗さっぱり忘れてしまっているんだろう。ランスロットは、不思議そうな顔をして私に尋ねた。
「……何か?」
「何も言わずに、これを飲んで欲しいの」
無表情を崩さない彼は私が渡した紫色の小瓶の中を見て、動揺が走ったのを感じた。私が一目見てもとっても怪しそうなので、気持ちはわかる。
「これは?」