破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
「貴方も……コンスタンス様とリーズの話を聞いていたでしょう? これを飲めば、すぐに全て理解出来るから。早く」
ランスロットも、自分が何かおかしい事には気がついているのか。どうなのか。私の早口を聞いてから、彼は意を決したようにそれを飲み干した。
カランと小瓶の落ちる音が為て、彼の身体から出て来た黒い霧がぶわりと一瞬彼を取り巻き、それはすぐに宙へと立ち消えた。
ランスロットは、我に返ったのか透き通る水色の目を瞬かせた。
「ディアーヌ嬢?」
「そう。思い出したんだ……良かった。記憶って、何処まであるの? 私の事、わかる?」
私の矢継ぎ早の質問に対しても、無表情を崩さないランスロットは顎に手を当てて数秒考えるように黙り込んだ。
「わかります……記憶も、今は全てあります。殿下とリーズと話していたのも覚えています……ディアーヌ嬢。その格好は?」
ランスロットも、自分が何かおかしい事には気がついているのか。どうなのか。私の早口を聞いてから、彼は意を決したようにそれを飲み干した。
カランと小瓶の落ちる音が為て、彼の身体から出て来た黒い霧がぶわりと一瞬彼を取り巻き、それはすぐに宙へと立ち消えた。
ランスロットは、我に返ったのか透き通る水色の目を瞬かせた。
「ディアーヌ嬢?」
「そう。思い出したんだ……良かった。記憶って、何処まであるの? 私の事、わかる?」
私の矢継ぎ早の質問に対しても、無表情を崩さないランスロットは顎に手を当てて数秒考えるように黙り込んだ。
「わかります……記憶も、今は全てあります。殿下とリーズと話していたのも覚えています……ディアーヌ嬢。その格好は?」