【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
5.伯爵令嬢、商会へ行く
 次の日。
 ラーシュに連れられて、カリーネとハイケはボルネマン商会へと足を運んでいた。もちろん、カリーネの学校の授業が終わった午後。
 ボルネマン商会は、魔導具製造の工場(こうば)を抱えている大きな商会である。この王都の外れに広い工場があるのだが、訪れたのは工場ではなく王都のパンクハーストのど真ん中に構えている建物の方。その建物は三階建てで、化粧漆喰で仕上げられた白い外壁。

「うわぁ。これが全部ボルネマン商会なんですか?」
 屋根についている煙突を見上げながら、カリーネが呟いた。学校終わりの三つ編み姿だし、背中にはいつものリュック。

「ああ。工場は別な場所にあるが、ここには設計部門から調達部門、管理部門など、全てが揃っている。商会長もこの建物の最上階にいるからな」
 さも当たり前であるかのようにラーシュは答えた。
 正面玄関から中に入る。入ってすぐのところに受付があり、見目の良い女性が二人並んで座っていた。ラーシュが迷いなく彼女たちのところへ向かい、軽く手振りを交えながら会話をする。すると、受付の二人もラーシュが来ることを知っていたのか、すぐに取次ぎを行ってくれているようだ。
 受付嬢とのやり取りを終えたラーシュは、ただ立っていたカリーネとハイケの元へと戻ってくる。

「上でボルネマン会長が待っているそうだ」

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