鷹臣くんは盗みたい


照れたように口元を隠した美月は

消えそうなほど、小さな声を震わせた。



「鷹臣くん……

 入学式の朝のバスで…手を振ったのが私だって…気づいてたの?」


「ああ」


オマエ以外、いないだろうが。



ポニーテールが揺れるほどの全開笑顔が

俺の瞳に、こんなに可愛いく映る女なんて。





「私も…一緒なんだよ……」


 ん? 

「一緒?」



「入学式の日…バスの中で…一目ぼれしちゃったの……」


「?」


「私のことを…心配そうな目で見つめてくれた…鷹臣くんに……」




うつむきながら前髪を指でこする、テレ仕草。


赤く染まったほっぺとセットで、可愛さ全開だな。


一瞬

意識が美月の可愛さに、集中しちゃったけれど


ん? んんん???


俺は、ハテナで重くなった頭を傾ける。


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