鷹臣くんは盗みたい
今、美月はなんて言った?
バスの中で、一目ぼれしたって言ったよな?
しかも相手は……
この俺????
頭を冷やしたくて、俺は自分の席に腰を下ろす。
通路を挟んで隣の席の美月。
俺と同様、一言も言葉を発しない。
お互い無言の時間が、1分以上続き
ようやく俺の心の中に
笑顔の花を咲かせる余裕ができた。
俺は、美月がくれたペンを握った。
クラスメイトに聞かれたくなくて
俺と美月、二人だけの思い出にしたくて
机にノートを広げ、ペンを走らせる。
『入学式の日、俺だけバスを降りてごめん。
ずっと謝りたかったんだ』