鷹臣くんは盗みたい
美月だけに見てもらいたくて、ノートの文字を指でトントン。
美月は、俺の隣に椅子をずらしすと
桜色のペンを指で挟み
女の子らしい丸文字をつづり始めた。
『なんとも思ってないよ。
実は私も、鷹臣くんに謝りたいことがあったんだ』
『何?』
俺に謝りたいことって?
『机の上に置いてあった、鷹臣くんのジャージ。
抱きしめちゃったんだ。
移動教室で誰もいなかったから…つい……』
えっ?
美月が、俺のジャージを抱きしめてくれた?
何こいつ。
行動がいちいち、可愛すぎなんだよ。
謝らなくていいよ。
どうせなら今すぐ、俺のことを抱きしめてくれればいいのに。
……って、ここ教室か。
さすがにクラスメイトの前で抱き合うのは、恥ずかしすぎか。