婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
反射的に手を引っ込めようとすると、リロイは仕方ないなと言わんばかりに腰に手を回した。
ゾワリとした感覚に動きを止めた後、先程とは全く違い、優雅に手を持ち上げて挨拶するように手の甲に唇を寄せようとするリロイの姿を見たベルジェの表情が変わる。


「ーーーッ!?!?」

「あー……!なるほどね!二人共、協力ありがとう」

「離してくださいッ!!」

「ジュリエット嬢は照れ屋だなぁ、こんなのは挨拶だろう?」


ブンブンと手を縦に振りながら振り払おうとするものの、リロイが掴んでいる手首はビクともしない。


「っ、怒りますよ!?」

「はは、ごめんごめん!でも二人の協力のお陰で面白いものがみられたから良かったよ」


にっこりと満足そうに笑ったリロイを見ながらも、ルビーと目を合わせた後に困惑していた。


「フフッ、なんかおかしいと思っていたんだよね。やっぱり僕の予想通りだったよ!」

「え……?」

「気にしないで、こっちの話だから」


そのまま再びリロイに背後から抱きつかれて『もう言葉はいらねぇ』と悟って拳を振り上げようとした時だった。


「ーーーリロイッ!!」


リロイの首根っこを思いきり引いたベルジェは、ジュリエットの体を守るように抱き締めて引き寄せた。
先程のような嫌悪感は一切ない事に驚いていた。
本人は必死で気付いていないようだが、腕には力がこもっている。
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