婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
動揺して唖然としているベルジェの元に行って手を伸ばす。
「!!!」
「ベルジェ殿下、大丈夫ですか?」
「ぁ……」
「どうぞ」
控えめに伸ばされたベルジェの手を掴んで立ち上がるのを手伝った。
顔を真っ赤にした彼が「……すまない」と言って手を離そうとするが、そのまま手を両手で包み込み、握ったまま答えた。
「ジュ、ジュリエット嬢……!手が……っ!」
「ベルジェ殿下、ありがとうございます」
「………え?」
「今のベルジェ殿下、とてもかっこよかったです……それに嬉しかったので」
「ーーーッ!?!?」
自分で言っていて恥ずかしくなり、ほんのりと頬が赤くなるのを感じながらベルジェを見上げた。
人間味のある部分が見えるたびに彼の印象が変わっていくような気がした。
そんな中、後ろで何を言っているかは分からないがボソリと呟く声が聞こえた。
「あーあ……完全にノックアウトだね。もしかして僕、当て馬??」
「ですわね。間違いありませんわ」