婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
聞くに耐えない言葉を遮って、自分の意志を伝える。
それにわざわざこの男の話を最後まで聞く必要はない……そう思った。


「私とお別れする為に、待っていて下さったのでしょう?ありがとうございました」

「……なっ、何を言ってるんだ?」

「勿論、大丈夫です。婚約を解消する事に異論はありません。このまま手続きを進めていきましょう」

「え……」

「さようなら、お元気で」


何故か「え?」と驚いてばかりいるマルクルスを無視して一方的に話を進めていく。

つまりマルクルスの要望を要約するとこうだ。
ルビーが憧れで、自分こそ美しいルビーを幸せに出来ると思っていたマルクルスは、ジュリエットの婚約者になることでルビーに近付く事に成功した。
けれどジュリエットの一途で健気に尽くす姿に少しずつ惹かれていくのと同時に、利用してポイ捨てする事は惜しいと思い始めた。

そして何故かは分からないがジュリエットに本当の気持ちを話した。
ジュリエットに受けいられる前に、彼女がショックで倒れてしまったので、再び承諾をもらう為に現れた。

堂々と二人欲しいと言うマルクルスの主張は傲慢の極みである。

それで「はい、分かりました」という女性がいる訳がないのに、マルクルスは自信満々にジュリエットは自分を愛していると信じて疑っていないのだろう。

(あり得ない……!)
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