婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
それに今まで迫られ続けたせいか、普段自分達がされているようなアピールのやり方は嫌だった。
散々、苦労をしているからだ。
しかしジュリエットとモイセスに関しては遠回しな愛情表現よりも、ハッキリと言葉にして伝えた方がいい事に全く気付かない事によってどんどんと関係性が拗れていくとは夢にも思っていない二人は、今日もあまり意味のない作戦会議を重ねていた。


「はぁ……令嬢達の会話をこっそりと聞いて、お洒落をすると殿方の目を惹けると思ったのですが失敗してしまいましたわ」

「そういえば、モイセスはお洒落に疎いような気がするな」

「なるほど……人によるのですね。本当はもっとご意見をお伺いしたかったけど、わたくしが近付くと迷惑を掛けてしまうし……」

「やはりこういう話を令嬢同士では、よくしているのか……?」

「分かりません。わたくしに仲のいい御令嬢はアイカ様以外おりませんから……」

「アイカ……?」

「ドノレス侯爵家の三女で、アドバイスをくれたり、ずっとわたくしに良くして下さっています。色々注意を受けるのですが、なかなか上手くいかなくて。そのせいで他の令嬢達にも嫌われているのかもしれません」

「そうか…………なんか、すまない」
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