婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
このままだとどうなってしまうのか……安易に想像出来るからこそ焦っていた。
いつまでの言いたい事を伝えられない自分達は全く進展しない。
チャンスは沢山ある筈なのに、それを上手く活かすことが出来ないのだ。
その間にも二人の仲は深まっているし、明らかに良い雰囲気になっているということは分かっている。
分かっているけれど、どうすればいいかは分からないのだ。

小さくなっていくモイセスとジュリエットの背を、いつまでもいつまでも見つめていた。


「…………」

「…………」


ベルジェとルビーは視線を合わせてから頷いた。
互いに泣きそうになりながらも侍女の前という事もあり、張り付けたような笑みを浮かべながら席に着く。
侍女が紅茶を淹れて去って行った瞬間……二人で一気に項垂れた。


「何で上手くいきませんの……ッ!?」

「何故俺は上手く喋れない……ッ!?」

「……」

「……」

「「はぁ……」」


重たい溜息が重なった。
こうして毎回毎回、失敗してばかりいる二人は、会う度に反省会をして次はどうすればいいか相談し合っていた。
好意を寄せている人にどうアピールすればいいか、今まで考えた事もなかった。
そうでなくとも異性が山のように押し寄せてくる。
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