初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜
…ダメだ。今の専務に何を言っても無駄だ。
何故か口説きモードになってしまっている専務のことはこの際無視して、わたしはサッサと朝食を食べ終えると帰る為の身支度を始めた。
朝、下着姿になっていた経緯はこうらしい。
昨夜、割烹料理屋で水とお酒を間違えて飲んでしまったわたしは瞬時に潰れてしまい、専務が致し方なく自分のマンションに連れて来たところでわたしが「暑い」と騒ぎ始めて勝手にポイポイと服を脱いで、慌てた専務が自身のベッドに押し込めたら秒で爆睡したらしい。…の、だが…
確かにわたしは暑がりだ。だけど、脱ぎ癖があるなんて誰からも言われたことがない。
手は出されていないのは本当っぽいけど、このままここにいたら今度こそ手を出されるのは時間の問題な気がするのでとっとと帰ろう。